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思うままに No.278

   

※エッセー「思うままに」より 〜毎月更新〜

 

 

 寒風に震える木々が赤茶色の芽をぽつんと出して、いまかいまかと希望の春を待ち焦がれている。彩りが寂しいこの時季にあってひときわ紫陽花の葉が紅葉して鮮やかだ。冷え込むほどにその色を深める。

 

 時の経つのも速いもので、ついこの間元旦を迎えたと思ったらもう二月。二度と戻ることのない刻み行く時の大切さを思う。今日があることに感謝しつつ与えられた一日一日を悔いのないように、少しでも恩に報いられるように、役に立てられるようにしなければと思うことしきりだ。

 

 いよいよ余すところ一年、東京五輪が近づいてきた。何と言っても五輪の花形はマラソン競技につきる。日本選手の活躍がもっとも望まれるところだ。その代表選手は昨年日本新記録を出した大迫傑だ。各大会などで彼の走りぶりを観ていると、ますます期待感が募る。

 

 そう思っている矢先に彼の記事が目にとび込んできた。<根性>をキーワードに掲げて五輪に挑むという決意のコメント。昨今の風潮として根性論は過去の遺物、古臭い考え方だと敬遠されがちだが臆することなく敢えて発する彼の言葉には我が意を得たりだ。核心をついた決意のこの言葉こそ戦いに挑む者には絶対条件だということを改めて教示してくれた。

 

 根性とは何があろうが決意したことをやり続けやり抜く心、またカベに突き当れば<何クソ>の精神をいう。目標に向うとき心の根がしっかりと根を張ってこそそれに連なって技も体も向上する。

 

 彼言わく、「昭和は日本人の良さを出せた時代、それが消えたのは平成。根性、辛抱強さといった日本人らしさを忘れて、変に海外志向になった。最近の子は練習であまり走らない。」、「マラソンはハードな練習をして頑張る数値を上げないと成長しない。僕はそこに気づけた。」、「外国人と比べて日本人の方が根性の絶対的価値や限界値は高いと思う。東京五輪がモチベーション。世界との差が縮まるかは僕らの努力次第。僕が気づいたことを意識していけばもっと日本人は強くなる。」と。

 

 当り前のことに気づきぶれることなく当り前のようにやり続ける愚直さ。何が大事で何をしなければならないかをドスンと肝の底まで落し込む。気の早いことだがいまから東京五輪のマラソンに思いを巡らせると表彰台の真ん中に立つ雄々しい彼の勇姿が目に浮かんできそうだ。

 

 <温故知新>根性のもつ偉大な力を再認識しよう。アスリートに限らずどの世界にあっても同じこと。進歩向上においては多種多様にわたる技術や仕組だろうが、また理論理屈だろうが絶対条件の<根性>を抜きにして物事の成就はない。

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