思うままに No.255

   

※エッセー「思うままに」より 〜毎月更新〜

 

 営業の仕事が面白い、楽しいと感じるのは、お客様からの感謝や信頼を得るときだが、その証しの最たるものは力士と同様白星をあげることに尽きる。とりわけ新人さんの場合には早いうちに小さな成果がでるよう後押しをしてその喜びを味あわせることだ。

 

 モチベーションを高めるのは何よりも勝ち星が薬になる。少しずつ成功体験をしていくことによって良きスパイラルが作られていく。人はほんのちょっとしたことでも自信をもつようになると見違えるように伸びる。言うことなすことも変ってくる。自信が希望を作り、やる気が腕前を上げる。

 

 逆にうまくいかないことが長く続くと増々焦りや不安を助長し、自信喪失する。このちょっとした心配りが重要なポイントだ。自信と落胆は紙一重だ。経験上、おしなべて早い時期に成功体験をしていく人は後々に優秀な人材となっていく確率が高い。

 

 さて人柄もよく、マナーもよく、社歴も長く、知識も豊富なのにいまひとつ成果が上がらないのは何故か。それは一言でいえば営業の本来の目的が分っていないからだ。営業力とそれらは必ずしも比例するとは限らない。営業力とは継続して買ってもらえる力を言う。そのためにはお客様が何を望んでいるのか、その欲求と要望を探し当てることに目を皿にし、耳を立てて意を注ぐことにある。

 

 営業マンは商品の良さ(欠点も含めて)を分り易く説明し理解して頂くことにあるが問題はその先にある。購入して頂き、実際に使用して頂いてこそお役に立てる。言うまでもないがどんなに美しいものでも話だけでは分らない。実際に食べてみなければ分らないではないか。

 

 成功するにはいくつかのステップを踏むが、売れるか否かその分れ目はひとえにクロージングにかかっている。ここが営業の肝だ。いくら知識を披ろうするも肝心のクロージングに踏み込めない原因は、お客様に嫌われはしないか、悪印象をもたれはしないかという妙なためらいや不安をもつことにあるようだ。

 

 このはっきりしない態度がお客様には頼りない不安や不信感を抱かせ不調に終わる。お客様はふん切りがつかず少々惑うものだ。その際に自信をもっての一言を待っているのだ。これがお客様心理だ。

 

 商品を使用することによって得る良さをイメージして頂き、様子を観て購入の決断を促すクロージングに移ることが大事だ。この時点で営業マンは売る人から離れもうひとつの役は第三者となり、よき助言をする人にまわるよう一人二役できなければならない。重々営業の目的は商品を使って頂き良さを実感して頂くことにある。

 

 お客様が本当に期待するのは商品知識でも説明上手でもない。すすめられた商品を使うことによって得られる効果・効用や心地よさを求めているのだ。

カテゴリー:エッセー「思うままに」
思うままに No.254

   

※エッセー「思うままに」より 〜毎月更新〜

 

 若乃花以来、19年ぶりに日本人として稀勢の里関の第72代の横綱が誕生した。小生はもとよりスポーツに限らず日本人びいきというより栄光を勝ち取った者には国籍のいかんに拘らず心より賞賛を惜しむものではない。ただ今回は国技の角界に長らく日本人横綱が不在であったことにいささか寂しい思いをしていただけに率直に言って嬉しい。近ごろは学生出身の力士が増えているなか、中卒からのたたきあげが頂点に上りつめたことは大の相撲ファンの一人としてことのほか喜ばしい。

 

 田子ノ浦部屋は数々の部屋のなかでも相撲道に徹し稽古も最も厳しいと聞く。亡き横綱隆の里の鳴戸親方の指導のもと徹底徹尾、力士としての礼儀作法、心構えをたたきこまれた。

 

 「勝っても負けても表情をかえるな。相撲の美しさは勝っても負けても正々堂々の潔さにある」、「勝っておごりたかぶるな敗者に敬意を払え」と。稀勢の里関が小学生のとき作文にこう書いた。「天才は生まれつきです。もうなれません。努力です。努力で天才に勝ちます」と。

 

 じっと遠くから見守ってきた父親の談話に「これまで息子は相撲をやめたいと言ってきたことは一度たりともなかった。愚痴、弱音を吐くどころか、いつも僕は角界に入ってよかった。お父さん有難うと常々言っていた」と。念願の初優勝を決めたとき「我慢してきてよかった。腐らなくてよかった。あきらめずにやり続けてきてよかった」と。

 

 黙々と愚直にぶれない信念、変にパフォーマンスに走ることもなく仏頂面が彼らしい思いからくるところだ。立ち合いは一切逃げず正道にこだわっての真向勝負、目先の星取りに惑わされず全力を尽すその姿に相撲のだいごみを魅せてくれる。そこに感動を呼び起すほんとうの美と力が凝縮される。ファンは勝敗のみならず力士の振る舞いを観ている。土俵に上がるとき、塩のとり方まき方、仕切り、勝負の後の態度、懸賞金の受け取り方、等々力士の一挙手一投足の全力に全てにわたるものが相撲なのだ。

 

 彼にとってこれがゴールではなく、新たなスタート台に立った。横綱として強さが求められるがそれ以上に品格が大事だ。相撲道の精神、礼儀作法を重んじて力士の範となり角界を引っぱっていって欲しい。その栄えある横綱だ。またこれまでのようにケガの少ない力士として、精進して、愚直に稽古を積み重ねていって欲しい。もうひとつ腰高と脇の甘さを克服して欲しい。

 

 昇進まで長く時間がかかったということは、その分心技体の力を十分に貯えてきたということだ。この貯金を活かせればもっと高みへと上りつめていくことだろう。

 

 努力は人間のもつ諸々の能力のうちで最も価値のある高い能力だ。この能力はもって生れたものではない。あきらめずやり続けて身につく。努力こそ本物の実力だ。

カテゴリー:エッセー「思うままに」
思うままに No.253

   

※エッセー「思うままに」より 〜毎月更新〜

 


 明けましておめでとうございます。本年も皆さん家族共々健康でありますよう祈念します。引き続き率先垂範を実践して社業の発展に邁進してまいる所存です。どうぞ宜しくお願いします。

 

 酉年の小生6回目の年男を迎えるにあたり本年は格別な思いをもつところだ。昨年の流行語大賞は<神ってる>でしたが小生も驚くほど公私ともに神っていました。おかげさまで長年のいくつかの願いが叶い、今年はさらにいい方向に向うことになると期待している。

 

 このことは多くの方々からの助けや支えを頂いたことと、天が味方してくれたのだと思っている。それだけにこれからも天に恥じないよう身を正して努めなければと心も新たにするところだ。いずれにしても希望の芽を出すには労を惜しまず丹精を込めて地道な努力を重ねることに尽きる。

 

 昨年は中部経済新聞社さんの強いすすめで「マイウェイ」の欄に11月1日から12月28日まで計48回の記事が連載された。幼少の時代から今日に至るまでの半生と思いを書き綴ったものだ。記憶も記録もおぼつかないなか、日々待ったなしであったが、皆さんの助けを借りてなんとか終了にこぎつけた。原稿づくりは夜を徹して日付が変ることも多々あった。

 

 大変なハードスケジュールではあったが、その時々の自分の歩んできた道を振り返るにはまたとない機会を得た。と同時にあらためてこれからの自分の生き方を考えるにも大きな意味があったように思う。

 

 この間、中部経済新聞社の小島圭司記者さんには何かとご尽力を頂きました。たびたび記者魂のすごさに触れ感動するやら貴重な経験をさせてもらった。

 

 さて今年は昭和53年の第一回から数えて第八回目は市制80周年とも重なり全市挙げての大イベント「はんだ山車まつり」が10月7・8日にわたって開催される。40年前小生が第一回目に関わったこともあって少なからず宿命のようなものを感じるが、おそれおおくも、今回大会の会長を仰せつかった。まことに光栄の至りであるがまたその責務の重さをひしひしと感じる。

 

 「美」をテーマにこのまつりは山車組を始め、市・JC・商工会議所・警察署等々あらゆる行政機関や関係諸団体の理解と協力を得て成り立つ。

 

 加えて昨年末亀崎地区の潮干祭が京都祇園祭や高山祭等33の祭りのひとつとしてユネスコ無形文化遺産に登録されたことから多くのお客さまが予想される。全市民を挙げて来客へのおもてなしと心意気をもって感動感激感謝を頂けるよう今から胸ときめかせ思いを馳せているところだ。

 

 この祭りが盛大にして無事に成功裡に終えることを祈念すると共に、そしてその為には準備万端、手ぬかりのないよう、推し進めることがもっとも大事と決意を強くするところだ。

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